こんにちは、本職は医療従事者で教育も担当するすこみみ( )です。 @scomimicosme1
病院で行われる、看護師やPT・OT・STなど医療従事者の臨床実習。
前回は、すっぴんではなく「不快にさせない」「心配をおかけしない」メイクをすることが大切とお話しました。
でもそんな表現だけでは、どんな感じのメイクがOKなのか分かりにくいですよね。
そこで今回は患者さんや指導担当、スタッフに愛される臨床実習メイクの方法を、教育担当者と一緒にこっそりお教えしちゃいます!
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お手本は病院や養成校のHPにあり!
前回に引き続き、病院で学生や各職種の新人教育を担当している琴葉さんにご意見をうかがいながら進めますね。
みなさんはおそらく、自分の学校やこれから伺う実習先のホームページやパンフレットを見たことがありますよね?
どの病院や学校も、だいたいが白衣を着た学生や、病院・施設で働く看護師やPT・OT・STのイメージ画像を載せていると思います。
モデルさんだったり、実際に働くスタッフや学生だったりすることもありますが、施設のイメージを壊すことがないよう、どれも爽やかで誰から見ても好印象な人物しか載せないはず。
ということは、そこを基準に考えれば失敗することはまずない、といえるでしょう。
全体イメージは”清楚でさわやか”
病院HPでチェックした好感度メイク
病院HPモデルはこんなメイク
- 当然すっぴんではない!すっぴん風だけどメイクあり
- 肌は透明感があり、自然な血色。
- アイメイクはほとんど色が感じられない。
- だけどぼんやりもしていない。
- 眉はふんわり、柔らかい色の短めストレート。
- リップはセミマットのベージュピンクやオレンジ系
メイクの細かいことはわからなくても、おそらくどのHPに出ているモデルさんに対してもとても好感度が高い印象を持ったと思います。
”思い出せないくらいのメイク”がちょうどよい
そのポイントは「どんな感じだったか思い出せないくらいのメイクにする」ということ。
医療従事者として仕事をするにおいて、健康的で好感度の高い印象を相手に与えることが大切。メイクはそのためのツールでしかありません。
したがって、カギとなるのは、「どんなメイクをしていたか思い出せない」程度に収めること。
思い出せない、ということは「メイクが気にならなかった」「うっとうしくなかった」ということです。
まつげが長かった、とか、リップが可愛かった、といった強い印象を相手に残さない。
そんなメイクであることが大切です。
自然なメイクには保湿が重要
さきほどのチェックポイントにあった透明感があって自然な血色の肌を作るためには、化粧ノリの良い、弾力のある潤い肌であることが大切です。
化粧ノリが良ければ、ファンデーションの量は驚くほど少なくて済むんです。
特に実習中は睡眠不足になりがち。
水分はいつも以上に身体から出て行ってしまうので、意識して保湿しましょう。
化粧水で水分をしっかり肌に入れ込んだら、乾燥する人はクリーム、脂性肌寄りの人はジェルクリームなど、自分の肌質に合ったクリームで水分が出ていかないよう蓋をするのがポイント。
最近は忙しい朝にピッタリ、洗顔+スキンケア+化粧下地までこれ1枚!というシートマスクもあるので、使ってみても良いと思います。
やりすぎ防止のためのメイクの順序
スキンケアが終われば、いよいよメイクの開始です…
が!ここでメイクの順序を確認しておきましょう。
というのは、これを誤ると、バランスが悪くなったり、目立ちすぎるパーツが出てきてしまったりして自然な可愛がられるメイクから遠ざかってしまうからです。
おすすめメイクの順序
- ベースメイク(日焼け止め、下地、ファンデ、パウダー)※必要に応じてコンシーラーでクマ消し
- 眉(アイブロウ)
- アイメイク(アイシャドウ、アイライン、マスカラ)
- チーク
- リップ・口紅
とはいっても、これはあくまでも基本。
たとえば目の印象の強い人は眉を後にして濃さを調整するとか、リップに少し色を出したいときにはチークを後にして淡く調整するとか、顔の印象やメイクのメリハリに合わせて順番を変えても問題ありません。
どのパーツも同じ強さにならないようメリハリをつけると自然なメイクになります。
ベースメイクは透明感重視のセミマットがおすすめ
清潔感を出すために大切なのは、肌の透明感。
実習時は透明感があって爽やか・涼しげに見えるセミマットな仕上がりが素敵。
厚化粧に見えるばかりか、化粧崩れもしやすくなります。
ベースメイクの基本手順
セミマット肌を作るにはいくつかの方法があります。
セミマット肌になれる組み合わせ
- どの組み合わせでも日焼け止め(特に屋外訓練に出る人は必須!)
- 下地+リキッドファンデ+コンシーラー+パウダー
- 下地効果のあるクッションファンデかBBクリーム+コンシーラー(+パウダー)
- 下地+コンシーラー+パウダリーファンデ
時短を考えるとクッションかパウダリーがよいでしょう。
ベースのお化粧ポイント
どの組み合わせでも大切なポイントは①薄づき②あご下まで伸ばす③化粧直しです。
下地からパウダーまですべて薄づきに!
厚塗りしていて崩れた場合は、メイクを一度きれいに落としてからお直ししないと、お化粧がキレイに乗らないんです。
はじめから薄づきにしていれば、メイクは崩れにくく、もし崩れても簡単にお直しできます。
中心から外に向かって、あご下まで伸ばす
ファンデをつけるとのっぺりした厚塗り感が出てしまうのは顔全体に均一に塗ってしまうから。
立体感を出し、自然な仕上がりにするなら顔の中心にファンデを置いていちばん厚くつくようにし、そこから外に向かってのばします。
パウダーでおさえるのは全顔なら②のとおりでよいですが、部分的にテカりやすい部分を軽く押さえるのでも良いと思います。
睡眠不足が目の下のクマに現れると心配されます。
お疲れ目のクマは青クマが多いので、オレンジ系のコンシーラーを選びましょう。
一番いいのはケサランパサランのアンダーアイブライトナーなんだけど、学生にはちょっと高いかな…それならキャンメイクで近いものを探してみてね。
屋外歩行に出るPTなら日焼け止めは必須!
生活に近いシチュエーションでリハをする場合、患者さんと一緒に屋外歩行をすることがあるかもしれません。
そんなときのために必ず日焼け止めを仕込んでおきましょう。
日焼け止め単独でなくても、化粧下地と一体のものもあるので、時短も考えて選ぶといいですね。
おすすめはアンダー2,000円で高い日焼け止め効果+洗顔料で落とせるジェル+パウダー
いつもメイクしている人なら、自分の持っているものを上手に組み合わせれば十分です。
これまでメイクしたことない!という人のために、学生さんのお財布にもやさしいプチプラアイテムをご紹介しておきます。
日焼け止め効果が高いと肌に負担のかかるものも多い中、キャンメイクのマーメイドスキンジェル UVなら、プチプラだけど、洗顔料で落とせてSPF50+・PA++++と最高のUVカットができます。
これに合わせて、こちらも洗顔料で落とせる仕上げパウダー、人気のマシュマロフィニッシュパウダーにすれば、忙しい毎日でも楽にお手入れできます。
パウダーは色つきなので、若い学生さんならベースメイクとしても十分でしょう。
眉はストレートの短めが好印象
眉は顔の額縁の役割。あなたの印象を決める大切なパーツです。
ここがおざなりだと「だらしない?」反対におしゃれすぎると「派手な子?」と思われるかもしれません。
ここはぜひ「愛され眉」をマスターしておきましょう。
「愛され眉」は柔らかブラウンのストレート
太過ぎ細すぎ、カーブつきすぎにならないようにしましょう。
お手本にしたいのはこんな眉。
ややストレート気味で、下のラインがほんの少しカーブしています。
これよりもっと太くて下もまっすぐなオルチャンメイク(韓国の女の子メイク)風になると、少々わざとらしくなるので気をつけて。
色は髪に合わせるのがスタンダードですが、ヘアカラーをしていない真っ黒な髪に合わせて眉も真っ黒だと、ちょっと印象が強すぎます。
その場合は少しだけ茶色で赤みや黄みに転び過ぎない色がおすすめ。
瞳の色に合わせてもよいでしょう。
ボサボサだけれど、抜いたり剃ったりするのは怖い…という人は毛流れを整えましょう。
スクリュータイプの眉専用ブラシ(100均やドラストにもあります)で眉全体をとかして、透明な眉マスカラ(透明マスカラでもOK)で毛流れを自然に固定すると良いでしょう。
眉を描いたことがない人に、超定番の書き方を伝授!
使っているメイクブラシや定規でポイントとなる位置に印をつけて描いていけば大丈夫。
しっかり形を作ろうとすると、実習メイクでは浮いてしまうかも。
ポイントの位置を押さえておいて、不足している部分をパウダーやペンシルで補うくらいが自然です。
よりていねいに描くなら、硬めのペンシルで毛の一本一本を描き足すイメージで。
ムダ毛があるという人は一度眉を描いた後、形からはみ出ている毛を毛抜きで抜くか剃るかしましょう。
ただし、剃る時には、眉の上部分はあたらないに気をつけましょう。
おすすめプチプラアイブロウアイテム
1本で多機能のアイブロウアイテム
プチプラブランドには、多色パウダーパレットや使いやすいペンシルなどがありますが、メイクより学業優先のあなたには、1本で多機能、簡単に仕上げられる、超ロングセラーのアイブロウペンシル、エクセル パウダー&ペンシル アイブロウEXがおすすめです。
硬めのペンシルにチップでつけるパウダー、そしてスクリューブラシが一体に。これ一つで眉が完成します。
これを使った描き方はこちらの動画が参考になります。
ボサ眉をキレイに形作る透明アイブロウマスカラ
茶色のアイブロウマスカラは実習には少々不向きかも。
透明タイプなら自然に毛流れを形作れます。
べったりつくとパリパリになるので、一度しごいたりティッシュで軽く拭ったりするとちょうど良い量が残ります。
アイメイクの引き算が勝敗を決める!
アイメイクって、メイク好きな人ならグラデーションのテクもあって、アイラインからなにから作りこみたくなるもの。
でも実習メイクではメイクの印象を残さないようごく基本のテクニックでごく基本のベージュやブラウンのシャドウを使ったアイメイクをするに限ります!
アイシャドウは”ワイパー塗り”が自然
テクニックがあるように見える仕上がりだけれど、塗り方はとても簡単。
ブラシでつけるのが基本ですが、アイシャドウチップでも可能です。
おすすめのアイシャドウはセザンヌやキスミー、キャンメイクなどプチプラブランドにたくさんあります。
アイラインをするならまつげの間を埋めるように
アイラインについては、アイシャドウのグラデーションが上手くついていれば入れなくても良いくらいかもしれませんが、入れるならまつ毛の間を埋めるようにしましょう。
キャンメイクのこのアイライナーは、わたしも毎日愛用しているものです。本当に落ちにくくて、安くて最高!
まつ毛はビューラーなしのカールタイプマスカラorマスカラベース
ビューラーを使うならごく緩く、挟む時間を短めにして少しずつ毛先にずらしていくと自然なカールに。
でもちょっとテクニックが必要ですよね。
その場合はビューラーは思い切って削除!
カールタイプのマスカラだけで自然なカールを狙いましょう。
おすすめはマスカラよりも透明ブラックのマスカラベース。
自然でカールは落ちにくいのでとってもおすすめです。
売り切れることもあるキャンメイクのマスカラベースはビューラーいらずで落ちにくく、クリア・ブラックとも超優秀!
マスカラ代わりにしているメイク巧者多数です。
特におすすめはブラックのほう。透明感があってちょうどいいんです。ぜひ使ってみて!
チークは必須!でもほんのりが大切
他をメイクしてチークがないと、のっぺり、不健康そうに見えます。
日本人は黄みがかった肌の人が多いので、選ぶチークの色は淡いサーモンピンクやコーラルオレンジ、ピーチピンクなどが健康そうに見えておすすめです。
小さいブラシは一か所に濃くつきやすかったりぼかしにくかったりします。
プチプラのものでも毛先が柔らかいものがありますから、用意してみてくださいね。こちらの方が絶対簡単!
リップはケア・セミマットがキーワード
最近は特に感染管理が厳しいため、看護師だけでなく、患者さんとかなり接近するPT・OT・STの学生にもマスクは必須。
そもそも、臨床の場でグロス系はNG。
マスクをしてもはげずに、ほどほどにマットで乾いた唇に見えない、健康的なリップが良いですね。
ティント系リップは後で唇が荒れやすいので保湿が大切。メイク落としの際にはしっかり落としましょう。
リップペンシルで塗りつぶすのは、パーティーのように飲食する場でも有効な方法。知っておいて今後損はありません。
色はピンクベージュや淡いオレンジ系のようにチークと近い色がおすすめです。
先にリップクリームで保湿したら、唇のアウトラインに沿って描き、その後内側をペンシルで塗りつぶします。
口角をキレイに描くと、きりっと見えて素敵です。
仕事終わりにマスクを取ったら、上からグロスや潤いのある口紅を重ねてもOKです
仕上げはメイク崩れ防止のプチプラミスト
後でお直しの手間が少なくなるので、メイクを固定するスプレーを顔全体にふりかけましょう。
顔から離してしゅっとひと拭き。近くからかけると顔が濡れるので気をつけて!
マジョリカマジョルカのスプレーは、おしろいも入っているのでかなりおすすめ。
はげたままはNG!必要最低限のメイク直しは?
お化粧直しで必要なのはベースメイクと口紅くらい。
ポーチにはさっきおすすめしたキャンメイクのようなパウダーと朝使った口紅か色つきリップ、もしあればサンプルか旅行用の小さな乳液、そして個別包装の綿棒を2・3本。
このくらいを入れておけばいいでしょう。
色つきリップなら、多少はみ出してもあまり気にならないのでささっと塗れて更衣室でも目立ちません。
ベースは薄づきにしていれば、浮いたファンデをティッシュで押さえて乳液などの保湿アイテムを指でなじませてからパウダーを優しくのせるだけできれいな肌が復活します。
滲んだアイメイクは乳液をつけた綿棒で拭えばすぐにきれいになります。
メイクがはげたままだと疲れた印象になりますからごく簡単でよいのでお直ししましょうね。
まとめ
前の記事にも書きましたが、中には「学生はメイクしている場合じゃないでしょ!」という人もいます。
でも、何度も言うようですが、それはとても自己中心的な発想。
医療従事者は相手に不快感を与えず、相手に心配をかけずに健康そうに仕事にあたることが必要です。
それは学生も同じ。あなたも患者さんから見ればひとりの医療従事者なのです。
けっしてやりすぎることなく、しかし疲れた顔に見せない。
それがプロフェッショナルのメイクです。
慣れないうちは大変かと思いますが、あなたもぜひ「健康そうでいいわね」「あなたといると気持ちがなごむわ」と患者さんや指導者・スタッフに思ってもらえる、愛され実習メイクの達人になってくださいね。