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室長室長

今日は室長の本業、言語聴覚士に関わる話題です。

12月6日に4人組ロックバンド、

flumpoolが活動休止を発表しました。

 

その理由は、

ヴォーカルの山村隆太さん

機能性発声障害を発症したため、

というのが事務所の発表です。

 

ほとんどの方が聞いたことがないと思われる

機能性発声障害とその治療について、

言語聴覚士の観点からご説明しますね。

 

言語聴覚士については私の所属する日本言語聴覚士協会をご覧ください。

 

 

声ってそもそもどんなもの?

機能性発声障害とは?治療はどうするの?

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室長室長

みなさんが毎日使っている声についてご説明しますね

声(音声)とは

私たち人間は、

ことばを使ってほかの人とのコミュニケーションをとりますよね。

 

この「ことば」とは「話しことば」ともいいます。

 

これは

のど仏の内側にある「声帯」によって作り出された声を

そこから上の「共鳴腔」という空間で大きく響かせ、

舌や歯、唇などを使ってことばの音(発音される音)にしたものです。

 

一方、さきほどのべたとおり、

声(音声)とは、のど仏の内側にある声帯で作られる音です。

 

声帯は左右に1対存在します。

 

声を出す、つまり発声は、

ごくごく簡単に言うと、

この左右の声帯が閉じているところに、

肺から吹き上がってきた息(呼気)が

間を通ろうとして押し開き、

息が通った後

ふたたび閉じることが繰り返されて起きる振動によってつくられるものなんです。

 

この振動は、1秒間で

男性はおよそ125回、女性でおよそ250回

繰り返されます。

 

この回数が多いほど声は高くなり、

少ないほど低くなるんです。

 

正常な声を作るために必要なこと

いわゆる「きれいな声、かすれのない声」

を出すためには、

声帯が規則正しく振動する必要があります。

 

そのためには

  • 声帯が適度に閉じる(強く閉じすぎるのはダメ)
  • 肺からの息(呼気)が声帯の間を流れること
  • 声帯が適度に緊張していること
  • 声帯の粘膜がやわらかく、形を変えやすくて戻りやすいこと
  • 声帯の粘膜が適度に潤って湿っていること
  • 左右の声帯がきちんと対称的で、形や性状が同様なこと

 

が必要です。

 

これらのうちどれかが欠けてしまうと、

声帯がきれいに開閉しないため、

作られる声も、かすれたり力んだ感じのものになってしまうのです。

 

声の障害とは

室長室長

声が作られる仕組みについて本当にごく簡単にご説明しました。さて、本題の声の障害についてお話しますね。

声の障害の定義

いわゆるハスキーな声の方っていらっしゃいますよね。

ヴォーカリストの中にも

そのハスキーな声が魅力の方がいらっしゃいます。

 

その方たちは

声がかすれているから声の障害がある、といえるのでしょうか。

 

答えはNO!なんです。

 

声の障害、いわゆる音声障害にはこんな定義があります。

音声障害の定義

その人の生活している社会の中で、その人の声が、年齢や性別からみて違和感を与えている、声が正常の範囲からずれてしまっている、今までの状態から変わってしまった、という状態の時に、音声障害ということができる

 

声の障害にはどんなものがあるの?

声の障害は

  • 声帯そのものに目に見える変化(異常)があるもの(器質的な変化)
  • 声帯の動きに麻痺などの異常があるもの
  • 声には異常があるのに、目に見える変化も、動きの変化もないもの

の3つに大きく分けることができます。

 

1つめの、目に見える異常の原因には、

喉頭炎や声帯ポリープ、声帯結節などがあります。

 

声帯ポリープや声帯結節

声の使い過ぎや間違った使い方が原因で起こる

良性の腫瘍ですが、

これも時々ヴォーカリストの方がお休みする原因として話題になっていますね。

 

そして3つめの

声には異常があるのに

見た目の異常も麻痺などの動きの異常もない障害のひとつに

機能性発声障害が含まれるのです。

 

室長室長

すべてが機能性発声障害ではありません。

室長室長

けいれん性発声障害などの障害もありますが、またの機会にしますね

 

機能性発声障害になるとどうなるの?

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声や喉の状態

機能性発声障害になると、

声帯そのものに異常がないのに

 

「声が出にくい」

「力んだのど詰め声になる」

「かすれる」

 

といった声の症状が現れます。

 

実際に、

耳鼻咽喉科で診察すると

発声時に声帯のあたりがギュッと絞られるように見えたり、両側の声帯が合わさらなかったりしています。

 

見た目の異常や麻痺がないのに

そのような状態になっていると、

消去法で、それ以外の障害、

声帯に器質的な変化や麻痺を認めない声の障害、

と判断されます。

 

特に機能性発声障害は、

さらにほかの声の病気の可能性を調べて、

それもなかった場合、

最終的に診断がつく疾患です。

 

心因性のものなの?

今回のニュースで、

ストレスやショックな出来事によって起こる、

心因性発声障害ではないか

と心配しているファンの方もいるようです。

 

しかし、心因性発声障害は、

この「機能性発声障害」に含まれるものの、

まったくのイコールではありません。

 

今回は一部の報道で

「歌唱時」機能性発声障害といわれています。

 

これを解釈すると

歌うときの声帯・喉頭の誤った使い方が習慣化して

そのまま自分では元に戻せない状態になっている

のかもしれません。

 

また、使い過ぎなどで、

もともと声帯に見た目の異常があるときに、

それをかばって無理な発声をするようになり、

それが習慣となってしまうことも考えられます。

 

いずれにしても、

これはあくまでもひとつの可能性の話。

本当のところは

ニュースを見ただけの私たちが

勝手に判断することではありません。

 

実際には、

専門家がきちんと声帯を含むのどを診察して、

判断するものであるということを

正しく理解してくださいね。

 

何科にかかればいいの?治療は?

室長室長

最後に少し病院のお話をします

診察は耳鼻咽喉科の「音声外来」がベスト

耳鼻咽喉科

声の疾患については、

耳鼻咽喉科が専門の診療科です。

 

ですが、

 

声の障害については

どこの耳鼻咽喉科でもすぐにわかる、

というものではないんです。

 

耳鼻咽喉科の中でも、

音声外来

という専門外にかかるのが最も適切な方法です。

 

大学病院や

大きな総合病院の耳鼻咽喉科にあることが多いので、

「音声外来」

で検索をかけてみるとよいでしょう。

 

ごくまれですが、

開業のクリニックでも、

声に詳しい耳鼻科のドクターがいますが、

行き当たりやすいのは大きな病院です。

 

治療はどうするの?

 

機能性発声障害は、

のどの炎症や腫瘍でなるものではありません。

 

したがって、薬や手術で治すものではありません。

 

機能性発声障害の治療は

発声の誤った習慣を修正し

適切な発声の方法を練習し、

習慣としていくことがメインです。

 

この治療を行うのが、

言語聴覚士(ST)です。

 

ただし、この声の治療を日常的に行っている言語聴覚士は、

全国でも少ないのが現状です。

 

先ほど述べた、

音声外来を持っている耳鼻咽喉科には、

音声治療を行う言語聴覚士が勤務していることが多いので、

やはりまずは音声外来を受診することが大切ですね。

 

専門の耳鼻咽喉科医と言語聴覚士とが

しっかりタッグを組んでいる病院で

のどの様子を専門的に診てもらいながら

治療を受けることが最良の選択です。

 

言語聴覚士の仕事については、

こちらで知ることができるので、

興味をお持ちの方はご覧くださいね。

 

【参考文献】

廣瀬肇,城本修,小池美奈子他:STのための音声障害診療マニュアル.インテルナ出版.2008.

 

 

まとめ

あわせて読みたい >>CA客室乗務員のメイクと保湿は?乾燥する機内で肌とのどを守る!

今回は声が出るしくみと

声の障害についてごく簡単に説明しました。

室長室長

ヴォーカリストにとって一番大切な声。しっかり治療してほしいです

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